シンジ:てっぺー
カヲル:うえんつ
と言うのがあって、今日WATのとあるCDジャケットを見て不覚にも萌えた。
俺はもうだめかもしれない。
と言うわけで、NAS。
はじめての方、
この作品を読む前にコチラをごらんください。
カヲルとシンジが戯れにバンド(?)を結成しようとする。
NAS
「僕らって部活やってないよね」
カヲルが何気なく呟いた。
「そうだね」
休日は両親が家に居るのでカヲルの家に非難している。
「ねえシンジ君、何かしようよ」
最近ではカヲルそっちのけでゲームしたり漫画を読んだりもしてる。
「今けいおん!読ん」
「それ」
シンジが皆まで言う前に、カヲルが言葉をさえぎった。
「軽音楽しよう!」
「ええ…」
キラキラ目を光らせる少年の前で、一人でやりなよ…とは流石に言えなかった。
「カヲル君、何か楽器できるの…?」
「…リコーダー?」
「…」
「…」
シンジには、チェロの心得があるし、オペレーターの青葉にちょっとだけギターを教えてもらったことがある。
しかし、その相手がリコーダーではいかんともしがたい。
「せめて、ハーモニカとか…」
「じゃあ、歌」
確かにカヲルの声は良く通るし、鼻歌もよく歌っている。
「…ヴォーカルできるのは心強いけど、それなら楽器も弾いて欲しいな…」
「そうか、軽音楽は難しいんだね…リリンはなんて難しくも魅力的なものを作り出したんだろう」
カヲルは現実逃避なのかすっかり自分の世界へとトリップしている。
「リリンとかよくわからないけど、とりあえずやりたい楽器はないの?」
「僕はシンジ君とやりt」
カヲルの頬に手のひら型の勲章が燦然と輝いた。
「…やりたい楽器は?」
「それじゃあギター、教えて欲しいな」
カヲルの指は長く細い。
結構サマになりそうだ。
「よし、じゃあ青葉さんに連絡してみる!」
「え、シンジ君?あのそうじゃなく」
「あ、もしもし青葉さん?僕です」
緊急時の連絡用として父から与えられた携帯をシンジはちゃっかり悪用しているのであった。
青葉シゲルは突然のチルドレンの来訪にほんの少しうろたえつつも、嬉しかった。
「良く来たね、二人とも」
「予定より遅くなってしまってすみません…」
青葉の家までの道案内がかなーり適当だったので迷ったのである。
「いやいやこちらこそ不案内で申し訳ない。それより、なんでまたギターを?」
「カヲル君がどうしても軽音楽したいって言うので」
「へぇ~!青春してるなぁ~!」
二人が会話している間、カヲルはムスッとして黙り込んでいた。
何故だ。
シンジに教えてもらうつもりが、何故こんなことに。
「カヲル君、コード教えるから来てよ~」
「うん、わかった!」
それでもシンジに呼ばれたらすっ飛んでいく自分が少し情けなかった。
半日の授業(?)だったが、カヲルの上達は早く。
「すごい…すごいよカヲル君!ちょっとぎこちないけど半日で一曲弾けるようになるなんて!」
やろうと思えばシンクロ率も自在に操れるカヲルからしてみれば本腰入れれば朝飯前な練習だった。
「渚君本当に初めてなのかい?シンクロ率も操縦術もすごいけど、ほんと何でもできるんだなあ…」
青葉はあっけに取られていたがそれもカヲルの実力なのだと認めているようだった。
「Fコードだって難なく弾けてるんだから、色々弾けるんじゃないかな」
青葉は早速楽譜をあさっていた。
「弾いてみたい曲があるんだけど」
その背中にカヲルが提案する。
「なに?フォークにロック、ブルース、ポップス、いろいろあるけど」
「第九」
カヲルらしいと言えば、らしかった。
「クラシックはちょっと、置いてないな…」
だがさすがに青葉には範疇外だったようである。
時間も時間だったのでカヲルとシンジは青葉に礼を言うと青葉の家を後にした。
「青葉さんに教えてもらった楽器店寄ってみようか」
と探してみたものの、何件回っても中々みつからない。
今日はあきらめて帰ろうかと言う話しになったとき。
「あ、カヲル君、あったよ!」
ソロ用の楽譜集だったけど、喜びの歌、とある。
「シンジ君、ありがとう」
「お礼なんていらないよ、たまたま目に入っただけだもの」
シンジはカヲルに楽譜集を手渡す。
「でもシンジ君が一緒に居たから見つけられたんだよ」
「またまたカヲル君はー」
はははとごまかすように笑ってレジに向かうシンジ。
どうにも、カヲルが本気で言ってるのか冗談で言っているのかわからなくて困る時がある。
「あ、シンジ君」
「なに?カヲル君」
レジで会計を済ませ、店を出るとカヲルがそこで立ち止まる。
「バンド名考えようよ」
「気が、早いね…」
まずシンジがそんなにギターを弾けてないし公開する処も特に無い。
むしろカヲルソロでやった方がいいんじゃないかってくらい完璧だった。
「NASにしようよ」
「な…なす?」
茄子?那須?…いろんなナスがシンジの頭の中を駆け巡っていく。
「NAGISA AND SHINJIでN&SでNAS」
「なんかそれ、どこかで聞いたことがあるような…」
深く追求してもだめだ。
余計に頭が痛くなる。
「そう、WATのネーミングセンスを拝借したのさ」
「そうなんだ…」
追求しなくても十分頭が痛くなった。
「まあシンジ君、末永く仲良くやっていこうじゃないか」
「うん、そうだね…」
さすがに本気でやる暇はないかもしれないけど、趣味程度でやっていくのは悪くは無いと思う。
「こうなってくると文化祭が楽しみだね」
「え…え、えええ!ちょっと、本気でバンドする気なの!?」
「止めても無駄だよ、僕はもう文化祭に出ないと気がすまないからね」
どんだけ言い聞かせて止めようとも、カヲルは己の自由意志で事を進めてしまう気がする。
その強引さにシンジは深くため息を吐いて、そして笑った。
「じゃあ、NASのためにもがんばって練習しようか」
「そうしようか」
カヲルはもっと笑った。
とりあえず、こうしてなりゆきバンド、NASは結成されてしまったのである。
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