はじめての方、
この作品を読む前にコチラをごらんください。
カヲル君が家出したシンジ君を言葉巧み(?)に「おいでよ」と誘ってなんとなくお泊りする話。
ちょっと追加・修正。
お泊り、と言っても決して
アッー!…(はぁと
な展開が繰り広げられる訳ではない。
カヲル「やらないか?」
シンジ「ウホッいいおとk」
と言うわけでもない。
ところで、ふと思いついて念のため携帯の方を見に行って吹きましたwwww
登場人物紹介がまったくもってひどいことになってたので
慌てて携帯のテンプレ変更しますたよっと。
そりゃね、背景色白じゃなきゃ白文字が隠れる分けないよorz
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カヲル君が家出したシンジ君を言葉巧み(?)に「おいでよ」と誘ってなんとなくお泊りする話。
ちょっと追加・修正。
お泊り、と言っても決して
アッー!…(はぁと
な展開が繰り広げられる訳ではない。
カヲル「やらないか?」
シンジ「ウホッいいおとk」
と言うわけでもない。
ところで、ふと思いついて念のため携帯の方を見に行って吹きましたwwww
登場人物紹介がまったくもってひどいことになってたので
慌てて携帯のテンプレ変更しますたよっと。
そりゃね、背景色白じゃなきゃ白文字が隠れる分けないよorz
見知らぬ、天井
高台の公園で一人夕焼けを見ていると後ろに人の気配を感じた。
「僕の部屋に、遊びに来る?」
背中に染み込むカヲルの声。
「一人暮らしだから、気兼ねは要らないよ」
返事はすぐには返さなかった。
だって今の気持ちを返事にして返したらきっとカヲルの迷惑になる。
「漫画とPSPとプレステ3があるんだ」
カヲルは尚もシンジの背中に誘いの言葉を掛ける。
「ソフトは…何があるの?」
「PSPはモンスターハンターとひぐらしデイブレイク。プレステ3は色々あるよ」
自分から聞いたのに返事を返さないで居るとカヲルは適当に面白そうなソフトのタイトルを並べる。
「ぼくのなつやすみとか塊魂トリビュートとか」
「行く」
返事と共にカヲルに顔を向けると、その紅い紅い夕焼けより紅い瞳がシンジからも良く見えるほどに見開かれていた。
「びっくりした」
シンジ自身もびっくりした。
「漫画は何があるの?」
「銀魂とかピューと吹くジャガーとか」
「意外だね」
カヲルの読む漫画のイメージからかけ離れるタイトルでシンジは苦笑いする。
「そう?ギャグ漫画は好きだよ。ほんと、リリンの創造する文化って尊敬に値するよ」
カヲルはまたいつかのようにシンジにはわからない単語を使って自らの感動を表現した。
リリンって何だろう?
「僕、そういうのあんまり見ないからわからないけど、カヲル君が見るなら読んでみたいな」
本当は漫画よりも、漫画を読んで笑うカヲルを傍で見てみたいと思った。
「じゃあ決まりだね」
カヲルからすっと手をさし伸ばされて、シンジはその手を迷わず取った。
引っ越してきたばかりだからなのか、引っ越してきたばかりだと言うのに、なのか。
カヲルの部屋には先述の漫画が何冊か並んだ本棚とテレビにつながったゲーム機、
そしてそのゲーム機のソフト以外にはあまり物が無かった。
「飲み物持ってくるから、座っていて」
フローリングの上に直に小さな折り畳みテーブルが置いてあり、シンジは一瞬どこに座ろうか迷う。
「ごめん、座布団はないけどベッドの上のクッションに座っちゃっていいよ」
カヲルに声をかけられてはっと見渡すと確かにベッドの上にクッションが2,3個転がっていた。
そしてその一つが美少女キャラのプリントだったことに地味に感動してみる。
「ほんとに、意外だ…」
カヲルの趣味がよくわからない。
「麦茶でいいよね」
「うん、ありがとう」
カヲルはテーブルの上にコト、コト、と麦茶の入ったコップを二つ並べた。
「ゲーム何かする?」
「塊魂」
即答すると少し沈黙された。
「うん。王子、かわいいよね」
「え、あ、うん…王様が酷いよね」
一瞬自分の父親と重なって、どこがどう重なったのかわからないけど重なって、へこむ。
「漫画も読んでいいよ」
だけどカヲルはにこりと笑った。
シンジも笑い返した。
広大な大地に生きる動物たちを写真に納めることに夢中になっていて、
カヲルが帰ってきてすぐ後ろに座っていたことに気づかなかった。
「それ、そのアフリカってゲームって楽しい?」
「うん、割と楽しかったよ」
義理で答えているのがわかったのかカヲルもそれ以上追求しなかった。
なにしろ良くも悪くも写真を撮るだけのゲームだった。
「ごはん、買ってきたよ」
「ありがとう」
スーパーの袋を渡される。
「材料…?」
ごはんと言うからてっきり出来合いのものかと思ったら、入っていたのは野菜だった。
「作るの、面倒かな?」
「そんなことないよ。何を作るの?」
「一緒にカレーをつくろうよ」
「カレー…」
確かにじゃがいもとかにんじんとかたまねぎとか牛肉とか、明らかにカレーの材料だ。
「嫌い?」
「嫌いじゃないしむしろ好きだけど…カヲル君も普通に中学生なんだね…」
その口ぶりでシンジが自分に対して一体どんな幻想を抱いていたのだろうか、考えてカヲルは噴出した。
「ちょ、なんで笑うの!?」
「ううん、僕だって普通の中学生だよ。ご飯は好きなだけ食べるしトイレ行くしゲームもするし漫画も読む。どこにでもありふれた人間さ」
カヲルのやさしい口が一言で言いきった。
「カヲル君て、なんか不思議な感じがするんだ…」
その口元をじっと眺めてシンジは呟く。
「そうかな?」
「うん」
「ついでに言うと、夜悶々として独りで慰めたりもしちゃうよ」
「っ、はっ!?!?!?」
シンジの視線がカヲルの紅い瞳をまじまじ見た。
「やっぱり僕には、カヲル君が何を考えてるのかわからないよ…」
「僕も自分が何を考えてるかわからないときがあるね」
にこにこ笑ってカレー予備軍をキッチンに移動させるために立ち上がったカヲルをよそに、シンジはふかああくため息を吐いた。
「そう言えば、ね、シンジ君」
「え、なに?」
キッチンから呼ばれて、シンジもじゃあついでに手伝おうと重い腰を上げる。
「さっきシンジ君ちの前に怪しいおじさんが立ってたけど」
「怪しい、おじさん?あ、ピーラーある?」
カヲルが食器棚を開けてまな板だの包丁だのを準備している間にシンジはまず袋の中の材料を取り出す。
「うん、ひげもじゃで、サングラスをかけた大柄なおじさん。あ、ごめんね、包丁しかないや」
「じゃあ包丁でいいよ…て、ひげもじゃサングラスの大柄なおじさん?」
カヲルから包丁を受け取ったシンジは早速丁寧且つ迅速にジャガイモの皮を剥き始める、が。
「新聞紙読むフリしてたけど、こっそり僕のこと見てた」
一個のジャガイモをつるつるにしたシンジは完全に手を止めた。
「…それは、うん…怪しいというか…怖いというか…なんというか…」
心当たりがあるのだろうか、その怪しいおじさんについて考え始めるシンジをカヲルは黙って見守っていた。
「何事も無かったみたいで、よかったね…」
「うん、膝蹴り食らわせなくて正解だったみたいだね」
「そ、そうだね…」
シンジはこの日、異様に勘の良く働く友人の心遣いに心の奥底から感謝した。
「今日はDATどうしたの?」
突然、聞かれて心臓が飛び跳ねそうになる。
シンジが恐ろしい顔で振り返ると後ろでシンジの様子を見ていたカヲルは思わず吹き出す。
「ごめん」
忌火起草は怖かったのでそれでやめにした。
「…カヲル君が居るのにつけてたら邪魔だよ」
そもそも、登下校の時トウジやケンスケと合流・離別するまでの間に流すくらいだ。
「でもどうしたの急に」
さっきまで部屋に流れていたおどろおどろしいBGMは消えてとても静かだ。
「何を聞いているのかなと思って」
「…クラシック…」
こう見えて幼い頃からチェロを習っていた。
その流れで、知っている曲を何曲が詰め合わせただけのこと。
カヲルはシンジがバッグから取り出したDATをひょいっと取り上げる。
「それにしても随分古いものだよね」
「うん、もらいもの、だから…」
「そうなんだ」
カヲルはシンジが言いよどんだのを知ってか知らずかDATを珍しげに監察する。
「G・IKARI、誰だろうね。シンジ君の、家族の人かな?」
「えっ、うっ…か、返してよカヲル君!」
小さく油性ペンで書かれていた文字を発見され、シンジは顔を真っ赤にして慌てる
「じゃあ、キスしてくれたら返してあげるよ」
ニコっと笑ってとんでもないことを抜かした少年に、思わずシンジの平手が飛ぶ。
「ふざけないでカヲル君!」
「あはは、ごめんねシンジ君」
友人の平手を甘んじて受け入れ、頬に謎の勲章を手に入れたカヲルはシンジにDATを返した。
「宝物、なんだね」
「…うん」
手元に戻ってきたDATをぎゅっと握るシンジ。
「そうだ、そろそろお風呂入るかい?場所はわかるよね」
部屋の構造は同じだからシンジは黙って頷く。
「覗いてもい」
「かをる、くん…」
震える肩でギっと睨まれるとさすがにカヲルは笑顔を苦笑に変えた。
「はい。大人しく漫画を読んで待っています」
「最初からそう言ってよ」
んもー、とうなりながらも先にお風呂をもらった。
そして何事も無くシンジが風呂から戻ってくると布団が敷いてあって、カヲルが寝転がって漫画を読んでいた。
「あれ、僕がベッド?」
「僕のベッドにシンジ君の濃厚な香りを」
平手こそ飛ばなかったが、シンジから黒いオーラがあふれ出していたのでカヲルはそれ以上は口を慎んだ。
不意に目が覚めると、見知らぬ天井が真っ先に視線を支配する。
そして自分がどこに居るのかをすぐに思い出せずに一瞬混乱して、直後必ず顔を横に向かせる。
「シンジ君、おはよ」
隣で寝ているのは、カヲル。
「…お、おはよう」
時計は見えないけど、カーテンの外が薄明るいからたぶん朝の6時くらいだと思う。
シンジが亡羊とした瞳を隠さずに天井を見つめているとカヲルは上体を起こした。
「やっぱり、僕の部屋は慣れない?」
そうだ、泊まらせて貰っているんだった…
自宅に居るのが嫌で荷物一つで飛び出してきたんだった…
「ううん。そんなことはないよ。ちょっとねぼけただけだから…」
そして自分も身体を起こす。
「明日学校行く?」
最初に泊まった一昨昨日が金曜日で、一昨日が土曜、昨日が日曜、そして今日が祝日の月曜日。
だけど火曜日はどれだけカレンダーを見直しても学校だった。
「嫌だな…」
「行かないと、皆に心配されちゃうね」
どうもカヲルには色々と見透かされているらしい。
「カヲル君にも迷惑だしね…今日、帰るよ」
はぁと深いため息を吐く。
「僕は迷惑だなんて思っていないのに」
もっと、一緒に居たいな。
口にはしなかったけど、態度からにじみ出ているのはシンジにも痛いほどわかってしまった。
「でも…やっぱり今日がリミットだよね…」
いい加減両親も休日一杯を使って突入体制を整えていそうだ。
ユイならともかくゲンドウまで来たら連れ帰されるのを通り越して研究所まで引っ張って連れて行かれるに違いない。
そうは思っても父親の登場はそもそも期待していないが。
「夕方、帰るよ」
シンジがどこでもない空間をぼんやり眺めて宣言すると「そう」とカヲルは肩を落とした。
「まだ白騎士クリアしてないのに」
「また遊びに来るよ」
いつでも来れるし。
「そうだね」
カヲルはそれ以上シンジを引き止めなかった。
その後トイレに立ったシンジ。
シンジが居ることを別にすれば普段とかわらない、独りの部屋でカヲルは呟く。
「君を一人にしないと約束したのに、ね」
高台の公園で一人夕焼けを見ていると後ろに人の気配を感じた。
「僕の部屋に、遊びに来る?」
背中に染み込むカヲルの声。
「一人暮らしだから、気兼ねは要らないよ」
返事はすぐには返さなかった。
だって今の気持ちを返事にして返したらきっとカヲルの迷惑になる。
「漫画とPSPとプレステ3があるんだ」
カヲルは尚もシンジの背中に誘いの言葉を掛ける。
「ソフトは…何があるの?」
「PSPはモンスターハンターとひぐらしデイブレイク。プレステ3は色々あるよ」
自分から聞いたのに返事を返さないで居るとカヲルは適当に面白そうなソフトのタイトルを並べる。
「ぼくのなつやすみとか塊魂トリビュートとか」
「行く」
返事と共にカヲルに顔を向けると、その紅い紅い夕焼けより紅い瞳がシンジからも良く見えるほどに見開かれていた。
「びっくりした」
シンジ自身もびっくりした。
「漫画は何があるの?」
「銀魂とかピューと吹くジャガーとか」
「意外だね」
カヲルの読む漫画のイメージからかけ離れるタイトルでシンジは苦笑いする。
「そう?ギャグ漫画は好きだよ。ほんと、リリンの創造する文化って尊敬に値するよ」
カヲルはまたいつかのようにシンジにはわからない単語を使って自らの感動を表現した。
リリンって何だろう?
「僕、そういうのあんまり見ないからわからないけど、カヲル君が見るなら読んでみたいな」
本当は漫画よりも、漫画を読んで笑うカヲルを傍で見てみたいと思った。
「じゃあ決まりだね」
カヲルからすっと手をさし伸ばされて、シンジはその手を迷わず取った。
引っ越してきたばかりだからなのか、引っ越してきたばかりだと言うのに、なのか。
カヲルの部屋には先述の漫画が何冊か並んだ本棚とテレビにつながったゲーム機、
そしてそのゲーム機のソフト以外にはあまり物が無かった。
「飲み物持ってくるから、座っていて」
フローリングの上に直に小さな折り畳みテーブルが置いてあり、シンジは一瞬どこに座ろうか迷う。
「ごめん、座布団はないけどベッドの上のクッションに座っちゃっていいよ」
カヲルに声をかけられてはっと見渡すと確かにベッドの上にクッションが2,3個転がっていた。
そしてその一つが美少女キャラのプリントだったことに地味に感動してみる。
「ほんとに、意外だ…」
カヲルの趣味がよくわからない。
「麦茶でいいよね」
「うん、ありがとう」
カヲルはテーブルの上にコト、コト、と麦茶の入ったコップを二つ並べた。
「ゲーム何かする?」
「塊魂」
即答すると少し沈黙された。
「うん。王子、かわいいよね」
「え、あ、うん…王様が酷いよね」
一瞬自分の父親と重なって、どこがどう重なったのかわからないけど重なって、へこむ。
「漫画も読んでいいよ」
だけどカヲルはにこりと笑った。
シンジも笑い返した。
広大な大地に生きる動物たちを写真に納めることに夢中になっていて、
カヲルが帰ってきてすぐ後ろに座っていたことに気づかなかった。
「それ、そのアフリカってゲームって楽しい?」
「うん、割と楽しかったよ」
義理で答えているのがわかったのかカヲルもそれ以上追求しなかった。
なにしろ良くも悪くも写真を撮るだけのゲームだった。
「ごはん、買ってきたよ」
「ありがとう」
スーパーの袋を渡される。
「材料…?」
ごはんと言うからてっきり出来合いのものかと思ったら、入っていたのは野菜だった。
「作るの、面倒かな?」
「そんなことないよ。何を作るの?」
「一緒にカレーをつくろうよ」
「カレー…」
確かにじゃがいもとかにんじんとかたまねぎとか牛肉とか、明らかにカレーの材料だ。
「嫌い?」
「嫌いじゃないしむしろ好きだけど…カヲル君も普通に中学生なんだね…」
その口ぶりでシンジが自分に対して一体どんな幻想を抱いていたのだろうか、考えてカヲルは噴出した。
「ちょ、なんで笑うの!?」
「ううん、僕だって普通の中学生だよ。ご飯は好きなだけ食べるしトイレ行くしゲームもするし漫画も読む。どこにでもありふれた人間さ」
カヲルのやさしい口が一言で言いきった。
「カヲル君て、なんか不思議な感じがするんだ…」
その口元をじっと眺めてシンジは呟く。
「そうかな?」
「うん」
「ついでに言うと、夜悶々として独りで慰めたりもしちゃうよ」
「っ、はっ!?!?!?」
シンジの視線がカヲルの紅い瞳をまじまじ見た。
「やっぱり僕には、カヲル君が何を考えてるのかわからないよ…」
「僕も自分が何を考えてるかわからないときがあるね」
にこにこ笑ってカレー予備軍をキッチンに移動させるために立ち上がったカヲルをよそに、シンジはふかああくため息を吐いた。
「そう言えば、ね、シンジ君」
「え、なに?」
キッチンから呼ばれて、シンジもじゃあついでに手伝おうと重い腰を上げる。
「さっきシンジ君ちの前に怪しいおじさんが立ってたけど」
「怪しい、おじさん?あ、ピーラーある?」
カヲルが食器棚を開けてまな板だの包丁だのを準備している間にシンジはまず袋の中の材料を取り出す。
「うん、ひげもじゃで、サングラスをかけた大柄なおじさん。あ、ごめんね、包丁しかないや」
「じゃあ包丁でいいよ…て、ひげもじゃサングラスの大柄なおじさん?」
カヲルから包丁を受け取ったシンジは早速丁寧且つ迅速にジャガイモの皮を剥き始める、が。
「新聞紙読むフリしてたけど、こっそり僕のこと見てた」
一個のジャガイモをつるつるにしたシンジは完全に手を止めた。
「…それは、うん…怪しいというか…怖いというか…なんというか…」
心当たりがあるのだろうか、その怪しいおじさんについて考え始めるシンジをカヲルは黙って見守っていた。
「何事も無かったみたいで、よかったね…」
「うん、膝蹴り食らわせなくて正解だったみたいだね」
「そ、そうだね…」
シンジはこの日、異様に勘の良く働く友人の心遣いに心の奥底から感謝した。
「今日はDATどうしたの?」
突然、聞かれて心臓が飛び跳ねそうになる。
シンジが恐ろしい顔で振り返ると後ろでシンジの様子を見ていたカヲルは思わず吹き出す。
「ごめん」
忌火起草は怖かったのでそれでやめにした。
「…カヲル君が居るのにつけてたら邪魔だよ」
そもそも、登下校の時トウジやケンスケと合流・離別するまでの間に流すくらいだ。
「でもどうしたの急に」
さっきまで部屋に流れていたおどろおどろしいBGMは消えてとても静かだ。
「何を聞いているのかなと思って」
「…クラシック…」
こう見えて幼い頃からチェロを習っていた。
その流れで、知っている曲を何曲が詰め合わせただけのこと。
カヲルはシンジがバッグから取り出したDATをひょいっと取り上げる。
「それにしても随分古いものだよね」
「うん、もらいもの、だから…」
「そうなんだ」
カヲルはシンジが言いよどんだのを知ってか知らずかDATを珍しげに監察する。
「G・IKARI、誰だろうね。シンジ君の、家族の人かな?」
「えっ、うっ…か、返してよカヲル君!」
小さく油性ペンで書かれていた文字を発見され、シンジは顔を真っ赤にして慌てる
「じゃあ、キスしてくれたら返してあげるよ」
ニコっと笑ってとんでもないことを抜かした少年に、思わずシンジの平手が飛ぶ。
「ふざけないでカヲル君!」
「あはは、ごめんねシンジ君」
友人の平手を甘んじて受け入れ、頬に謎の勲章を手に入れたカヲルはシンジにDATを返した。
「宝物、なんだね」
「…うん」
手元に戻ってきたDATをぎゅっと握るシンジ。
「そうだ、そろそろお風呂入るかい?場所はわかるよね」
部屋の構造は同じだからシンジは黙って頷く。
「覗いてもい」
「かをる、くん…」
震える肩でギっと睨まれるとさすがにカヲルは笑顔を苦笑に変えた。
「はい。大人しく漫画を読んで待っています」
「最初からそう言ってよ」
んもー、とうなりながらも先にお風呂をもらった。
そして何事も無くシンジが風呂から戻ってくると布団が敷いてあって、カヲルが寝転がって漫画を読んでいた。
「あれ、僕がベッド?」
「僕のベッドにシンジ君の濃厚な香りを」
平手こそ飛ばなかったが、シンジから黒いオーラがあふれ出していたのでカヲルはそれ以上は口を慎んだ。
不意に目が覚めると、見知らぬ天井が真っ先に視線を支配する。
そして自分がどこに居るのかをすぐに思い出せずに一瞬混乱して、直後必ず顔を横に向かせる。
「シンジ君、おはよ」
隣で寝ているのは、カヲル。
「…お、おはよう」
時計は見えないけど、カーテンの外が薄明るいからたぶん朝の6時くらいだと思う。
シンジが亡羊とした瞳を隠さずに天井を見つめているとカヲルは上体を起こした。
「やっぱり、僕の部屋は慣れない?」
そうだ、泊まらせて貰っているんだった…
自宅に居るのが嫌で荷物一つで飛び出してきたんだった…
「ううん。そんなことはないよ。ちょっとねぼけただけだから…」
そして自分も身体を起こす。
「明日学校行く?」
最初に泊まった一昨昨日が金曜日で、一昨日が土曜、昨日が日曜、そして今日が祝日の月曜日。
だけど火曜日はどれだけカレンダーを見直しても学校だった。
「嫌だな…」
「行かないと、皆に心配されちゃうね」
どうもカヲルには色々と見透かされているらしい。
「カヲル君にも迷惑だしね…今日、帰るよ」
はぁと深いため息を吐く。
「僕は迷惑だなんて思っていないのに」
もっと、一緒に居たいな。
口にはしなかったけど、態度からにじみ出ているのはシンジにも痛いほどわかってしまった。
「でも…やっぱり今日がリミットだよね…」
いい加減両親も休日一杯を使って突入体制を整えていそうだ。
ユイならともかくゲンドウまで来たら連れ帰されるのを通り越して研究所まで引っ張って連れて行かれるに違いない。
そうは思っても父親の登場はそもそも期待していないが。
「夕方、帰るよ」
シンジがどこでもない空間をぼんやり眺めて宣言すると「そう」とカヲルは肩を落とした。
「まだ白騎士クリアしてないのに」
「また遊びに来るよ」
いつでも来れるし。
「そうだね」
カヲルはそれ以上シンジを引き止めなかった。
その後トイレに立ったシンジ。
シンジが居ることを別にすれば普段とかわらない、独りの部屋でカヲルは呟く。
「君を一人にしないと約束したのに、ね」
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悟史君と圭一君とカヲル君とシンジ君にメロメロだ。
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